アラ還な私の毎日

還暦を迎えた働く母ちゃんの毎日です。

大人の恋は、静けさの中にある

アラ還母ちゃん



若い頃の恋は、いつも波立っていました。

どうしてあんなに一生懸命だったのでしょう?


会いたくて、会えなくて、泣いた夜もありました。

でも今は、心が静かでいられる恋を選びたい。

年齢を重ねた今だからこそ見える「穏やかな愛」がある気がします。


東京と大阪の遠距離恋愛。

京都で月に一度会うのが、何よりの楽しみでした。

待ち合わせの駅に向かう足取りの軽さ、

手を振る瞬間の高鳴り。

別れ際のホームで何度も振り返っては、涙をこらえたあの頃。

会えない時間が長いほど想いは募って、その恋こそがすべてのように思っていました。


大阪に戻る新幹線の中で、品川駅を通るたび「ここで降りたい」と思ったものです。

でも降りられないまま、車窓の灯りを見送るしかなかった。

あの揺れる車内の孤独も、恋の一部だったんだと思います。


今思えば、あの頃の私はいつも不安でした。

「次はいつ会えるんだろう」

「私のこと、まだ好きでいてくれるかな」

好きな人の言葉ひとつで舞い上がり、少しの沈黙で勝手に傷ついて。

“好き”の奥には、“失うのが怖い”という影が潜んでいたのかもしれません。


今は、恋ってそんなに苦しくなくていいとわかりました。

本当に心を満たす恋は、静かであたたかいもの。

沈黙が怖くない人、無理に話さなくても空気がやわらかい人。

そんな存在が、いちばん安心する。


恋は、燃えるより灯り続けるほうが難しい。

けれど、その小さな灯が心の奥にともっているだけで、

日々の暮らしがふっと優しくなります。


“心が静かになる恋”を選ぶことは、何かを諦めることではありません。

むしろ、自分を大切にできる恋に出会えた証。

60歳を過ぎたいま、ようやくそう思えるようになりました。


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